「見込みと裏面に勿忘草が彫られた、どっしりとした鉢。見込みを覗くと双方の枝ぶりが呼応し合い、優美でたおやかな勿忘草の姿が映し出される。外側の余白は全てマルトレと呼ばれる槌目模様の手彫りによって、丁寧に表されている。側面についた3箇所の半球体装飾(カボッション)の内、2箇所にプラチナ箔が封入されており、そのはかなげな様子が、楚々とした花の姿を思い起こさせる。裏面の署名に一輪の勿忘草が添えられているが、はっきりとした正面性と均等に分けられた五弁の花びらが、日本の家紋すら想起させる。」(「オルセー美術館特別協力 生誕170周年 エミール・ガレ」展サントリー美術館2016年図録88頁より抜粋) 僅かな数量が制作された重要作品。
サイズ(㎝):高さ7.6 幅24.3
サイン:底部に陰刻で《 Emile Gallé / f.t 》
制作年:1892年~1894年に考案された意匠
技法:グラヴュール、マルトレ(槌目模様)、カボション、プラチナ箔挟み込み
備考:《2016年サントリー美術館にて開催の「オルセー美術館特別協力 生誕170周年 エミール・ガレ」展の出品作品》